建物・設備調査診断
建物の一般的な修繕周期から予測される経年劣化度合いや日常点検により指摘された事項について、専門知識を持った技術者が調査診断し、計画立案を通じて建物の維持管理をサポートします。
業務概要
以下2つがメイン業務となります。
建物調査診断
建物の構造躯体コンクリートやその仕上げ材等について調査診断します。
コンクリート劣化度調査
躯体コンクリートの一部を抜き取り調査し、コンクリート状態や修繕対応の必要性を判定します。
コンクリートは強いアルカリ性で鉄筋コンクリート構造の内部鉄筋を腐食から保護しますが、経年により空気中の炭酸ガス等の影響で表面から徐々にアルカリ性を失い(中性化)、その防食機能は低下していきます。中性化深度が進行し内部鉄筋まで達すると鉄筋は発錆・腐食し、体積膨張による周辺コンクリートの破壊まで引き起こしてしまいます。
付着力調査
タイルや塗装膜のコンクリート躯体との接着強さを測定し、タイル貼り替えや塗装の塗り重ねの可否、補修の必要性について判定します。
測定試験機を壁面に接着し、引張測定試験によりどの程度の力で表面仕上げが剥がれたか(付着力が十分か)を測定調査します。
打診調査
鉄筋コンクリート造等の建物は、経年又は地震等外部力により躯体コンクリートと仕上げモルタル・タイル・塗装膜の間に浮きが生じる場合があります。そこでテストハンマーを用いた打診検査で、叩いた音質により浮きが生じている箇所を調査します。
外壁ひび割れ・鉄筋爆裂調査
コンクリートの乾燥収縮や建物全体の挙動から発生したひび割れ箇所や、中性化が進み鉄筋爆裂を起こしている箇所を目視にて調査します。外壁のひび割れは下地コンクリート内への雨水の浸入を促し、アルカリ性で腐食から保護された内部の鉄筋を腐食させる原因になりますので、早期の補修が重要となります。
塗膜剥れ・チョーキング調査
明らかに脆弱化している塗膜を目視にて判定します。また目視・指触により塗膜表面のチョーキング状態(紫外線等による塗膜表面の劣化により粉末化した状態)も調査します。
こうした塗膜の脆弱化は下地との密着力低下により塗膜の剥離を生じさせ、美観性の低下と共に建物下地の保護機能を低下させます。
鉄部腐食調査
鋼製品を保護する表層塗料が性能を失いますと、雨水や空気中の炭酸ガス等により錆が発生します。それらの箇所を目視や指触によってチェックし、塗料性能の残存度合を判定します。
防水層劣化調査
屋上等の防水層の劣化状態を目視や指触により調査します。
防水層の劣化不具合は下部への漏水事故を引き起こすため、劣化進行を予測した上での予防保全が重要となります。
設備調査診断
建物の心臓・血管とも言える給排水設備等についても経年劣化は避けられないため、これらを最新の技術で調査し、建物に適した修繕・改修工法を提案します。
サンプル管調査
実際に使用している給排水管を抜き取り、管内面の腐食状態を調査します。
内視鏡調査
管内部にファイバースコープ等の調査機器を挿入し、管内部の劣化状態を画像にて視覚的に把握します。
超音波肉厚測定調査・X線透過試験調査
実際に使用している給排水管を抜き取る事なく外面より管材状態を測定し、管内部の劣化状態を検証します。